カウントダウン
【柳田貴史side①】

「おい、貴史。

顔色悪いぞ。

どうかしたのか?」


朝のホームルームが始まる十分前、同じバスケ部の康孝がオレに話しかけてきた。


机を見つめながらぼうっとしていたオレはその声に反応して顔を上げた。


康孝はいつものように笑っていたが、オレは康孝に言葉を返す元気もなく、ため息をついていた。


(昨夜のことは夢じゃないよな。

オレは悪夢で目を覚まして……)


オレはそんなことを考えながら、昨夜の恐怖体験を思い出していた。
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