カウントダウン
大切な場所
【芦田梨花side⑪】

私は公園で待ち合わせをしていた雄一と会うと、昨日の夜の出来事を真っ先に雄一に話していた。


「昨日の夜、私の部屋に忍が来たの。

忍は冷たい手で私の肩を軽く叩いてこう言った……。

『芦田梨花……。

お前は明日の24時までに必ず死ぬ。

カウントダウンは止まらない』って……。

雄一君、私、怖いよ……。

忍の呪いが襲ってきそうで、私、怖いよ……」


私は昨日、忍の呪いのことを考えていて寝れなかった。


忍の呪いのことなんて考えないで、もう寝てしまおうと思っても、私の頭の中に忍の呪いで死んでしまったクラスメイトの顔が浮かんでくる。


もしも忍の呪いが解けなかったら、私も死んだクラスメイトと同じようになると思うと、恐怖で体が震えてくる。


本当の私は臆病で怖がりだ。


忍の呪いに立ち向かおうと、何度心に誓っても、不安と恐怖に包まれている私の心は、ずっと揺れ動いているのだ。


だから私は自分の弱さを雄一に知って欲しいと思っていた。


私は強がっていても一人ではダメな人間だから。


私が雄一に弱音を吐くと、雄一はいつものように私の肩を優しく抱いてこう言った。


「心配するな。

梨花にはオレがついている。

オレたちは忍の呪いに絶対負けない」


雄一が強い口調で励ましてくれたことがうれしかった。


やっぱり私は一人じゃない。


私には雄一がついているんだ。
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