都合のいいふたり
「あゆ、大丈夫か?」

私があんまり泣くから、涼介は心配になったんだろう。

「大丈夫。ありがとう。涼介のおかげ。」

「そっか、良かった。じゃあ、そろそろ寝るか?
階段、気を付けて上がれよ。酔っ払ってるんだから。」

「涼介、やっぱり一緒に寝て。今日は独りじゃ寂しいから。」

何を言ってるだろ、私。
お酒のせいかな。

「あゆ、本気?」

「うん。」

「俺、寝るだけじゃ済まないけど・・・。」

「分かってるよ。慰めてくれるんでしょ。」

「俺、優しくする余裕ないぞ。」

「それぐらいの方がいい。いろんな事、忘れさせて欲しいから。」

「なぁ、俺達の今の会話、エロくないか?」

私は、急に恥ずかしくなって来た。
手で顔を覆った。

「でも、もう無理だから。俺、止められないから。」

そう言うと、私の手を顔から退かせて、
ギュッと抱きしめた後、息もできないくらいの熱いキスをされた。

そのまま、私を抱き上げて、涼介は自分の部屋に向かい、私を抱いたままベットに倒れ込んだ。

急に「男」になった涼介にドギマギする。

「言っただろ、余裕ないって。俺が全部忘れさせてやるから。」

そう言うと、私の来ていたルームウェアを下着ごとたくし上げて、私の全身にキスをした。

涼介のキスは、優しくて甘くて、切なかった。

私は何度も快感の波に囚われては、放り出されそうになった。その度に涼介が私を優しく包んでくれた。

二人の吐息が混ざり合い、高くなる温度を感じ合い、私は涼介に貫かれた。

「もう、大丈夫だよ。あゆに辛い思いなんかさせないから。俺が、あゆを守るから。」

涼介が耳元で囁くのを感じながら、私は眠りに落ちた。
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