都合のいいふたり
私は涼介が淹れたコーヒーを飲みながら、バナナを食べた。

「本当は週末、何してたの?俺はあゆが下りて来なくて、一人で退屈だった。」

涼介の屈託のなさは、簡単に空気を軽くする。

「私も退屈だったかな。今まで、ずっと一人だったのに、慣れって怖いよね。」

今更、涼介に意地を張っても仕方がない。
この週末は何だったのだろうとさえ思えてくる。

「俺、次の家探すの、シェアハウスにしようかな。」

「家、探すの?さっき、出て行かないって言ってたのに。」

「いや、出て行かないよ。でも、もしも、あゆに本気で追い出されたら、やっぱ、家主には逆らえないし。」

「家主の言うことは絶対!だからね。」

誰?この厚かましい居候は?

でも、涼介のいなくなった家を想像してみても、きっともう楽しくない。

この生活を楽しんでしまった私の負けだ。

白旗を挙げて、プライベート禁止に従うしかなさそうだ。私にも、それ以外にこの生活を上手く続ける方法が見当たらない。

結局、その日から私達は「元の私達」に戻った。
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