都合のいいふたり
衝撃の対面 (涼介サイド)
あゆのテンションがいつもより高めなのが嬉しい。
それに今日はいつもより素直で可愛いし。

勇気を出して、映画に誘ってよかった。

行列には普段は絶対に並ばない俺でも、あゆとだったら何時間だっていいと思える。

あゆを楽しませたいと思っているのに、実はその何倍も俺自身が楽しんでいる。

昨日からの俺のはしゃぎ様を同僚達も笑っていた。

「まるで初デートの中学生みたいだな。」

どんなに揶揄われても、気にしない。
1ヶ月に渡る長い計画を果たした努力の成果なのだから。
まだ先は長くても、今日のこの一歩は大きい。
だから、揶揄いたいたければ、好きにしてくれ。
俺はそんな事に構っていられないのだから。

ただ、さっきから後ろの男があゆをジロジロと見ているのは気になるけど。
あゆは前を向いているので、男の視線には気付いていない。

「あと、どれぐらいかな?映画の時間大丈夫かな?」

あゆがそう言いながら俺の方に向いた時、突然、男が声を発した。
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