都合のいいふたり
涼介は私を抱きすくめたまま壁に押し付け、唇を塞ぐ


「やめて。」と言おうとしても、言葉にできない。
涼介の腕の中でもがいても、力で押さえ込まれ逃げることもできない。

涼介が本気だったから、私は諦めて涼介に身を任せた。
涼介は何も言わず、私をベッドに押し倒した。

荒々しくて、でも決して私の身体を傷付けることのない力で、私の全身を悦ばせる。

私は幸せなんか感じちゃいけない。
涼介を好きになる資格なんてない。

必死に意識を保とうとするけど、涼介の手が、唇が、舌が、それを許してはくれなかった。

涼介が私の至る所に二人の行為の跡を残していく。

「あゆ、あんな奴のことなんて俺が忘れさせてやるから。」

荒々しさとはかけ離れた切ない顔で私に囁く。
私は、もうとっくに忘れてるのに・・・。

その日、涼介は、私が意識を失くすまで何度も何度も、私を抱いた。
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