藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「うわ、やっぱこえー。愛菜ちゃんと大違い」


1人の男子とそんなやり取りを交わしだすと、中島くんが瑠夏ちゃんの肩をポンと叩いた。


「じゃあ瑠夏、佐倉がこいつらに絡まれないように守ってやれよな」


「当然。言われなくてもそのつもりよ」


この時、瑠夏ちゃんの表情がうっすらと輝くのを見逃さなかった。


机の下で密かにガッツポーズを作る私。


間違いない、瑠夏ちゃんは中島くんのことが好きなんだ。絶対にそうだ。


もしかしたら、夏祭りで二人の距離が縮まるかもしれない。


これは初めの小さな一歩。


そのお手伝いが出来たのかもしれないって思ったらたまらなく嬉しい。


「瑠夏ちゃん、可愛い浴衣着て行こうね。楽しみだなー」


ニコニコ笑ってそう言ったら瑠夏ちゃんは小さな声でそうだねって言って答えてくれた。


その顔は今まで見たこともないくらい可愛く、そして恥じらう女の子の顔をしていた。
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