藍先輩の危険な溺愛レッスン。
そうか、そういうことか。


鈍い私でもやっと気がついた。


権田さんを諦めさせるための作戦なんだよね?


先輩、それで合ってるよね?


「はい、お待ちしてますっ」


死ぬほど恥ずかしかったけれど、なるべくにこやかにそう返事をした。


すると先輩は満足そうに笑ったので、ホッとした。


先輩の投げてくれたボールを受け取って上手く投げ返せたようなすがすがしい気分。


「では、これで」


だけど、周りの生徒達からの視線が痛くて仕方がなかったので急いでまた踵を返した。


数名の女子生徒達は一斉にまた先輩を取り囲んだみたいだ。


「藍先輩、さっきの子誰ー?」


「やだー、私のとこにも夜中に来て欲しい」


「やーん、私もー」
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