愛しても、いいですか
「…ほんとにごめん…心配してくれてありがと…」

この親友がどれだけ私のことを心配してくれていたか、LINEから、今の電話から、痛いくらいに伝わる。

「…無事だったからもう許す!」

ずびっ、と鼻を啜りながらにかっと笑う親友の顔が目に浮かんだ。

「…今度ご飯奢るね」

感謝の気持ちを込めてそう言うと、

「…じゃあ今日奢って…」

…え、今日?

「…今日じゃなかったら許さん…」

由紀のセリフにふふ、となる。

「うん、分かった。どこで待ち合わせる?」

「私が沙耶香の最寄りまで行く!何か心配だから!」

すっかり心配されている。

「ハハ、分かった。じゃあ12時に駅で」

そう言って電話を切った。

一度リビングに戻り、大石さんに由紀とご飯を食べて来る、と伝えた。

「車で送って行こうか?」

「あ、由紀がこっちの最寄り駅まで来てくれるらしいので大丈夫です。何か昨日の件ですっかり心配されちゃって…」

そう言って苦笑すると、

「廣瀬さんは本当に沙耶香ちゃんのこと、大事なんだな」

そう目を細めて微笑まれた。
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