エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
 




「あら、百合。今日はなんだかご機嫌ね、これからどこかに出かけるの?」


 野原食堂の定休日。

 私は部屋で身支度を整えながら、昨日の夜に近衛先生から届いたメッセージを読み返していた。

【それじゃあ、明日の十三時に野原食堂に迎えに行く】

 近衛先生から夢のような告白をされ、車内でキスを交わしてから早一週間と少し。

 相変わらず近衛先生から連絡が来ることは少ないけれど、奇跡的にお休みが重なった今日、ふたりで出かけることになった。


「うん、夜には帰る予定だけど、今日は夕飯の準備、手伝えなくてごめんね」

「それは全然いいけど。もしかして、近衛先生とデート?」

「えっ⁉」


 お母さんがニヤッと笑う。

 私は慌てて誤魔化そうとしたものの、顔が赤くなったせいですぐにバレてしまった。


「別に隠さなくてもいいわよ。百合だって、もういい大人なんだから」


 そう言うとお母さんは、私が着ているワンピースの襟を直してくれる。

 
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