クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
 指輪の交換を済ませて遥人さんを見上げる。今日は普段履かない高いヒールなので、遥人さんとの距離が近い。

 遥人さんに純白のベールを上げてもらう。いよいよ誓いのキスだ。

『キスは長めに』と陸さんにお願いされた通り、遥人さんはとても長い間私に口づけた。

 列席者たちからざわめきが起き始め、最終的に口笛まで飛んではやし立てられる。恥ずかしい。

 そういえば最近、陸さんが口笛を練習していたような気がする。

「小春。愛している」

 たっぷりとキスを注いだ遥人さんは、甘くとろけるような微笑みで囁いた。

「私も愛しています」

 わあっと大きな歓声と拍手が沸き起こる。

 私たちは出会った当初からたくさんすれ違った。

 だけどこれからはなんでも話して、楽しいことも悲しいことも嬉しいことも分かち合える、そんな夫婦になれると信じている。


END.
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