クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「俺は、白峰さんを幸せにできない?」

 いつもより近い距離で囁かれた言葉は、心臓を貫くような衝撃力があった。

 遥人さんは私を翻弄している自覚はあるのだろうか。わざとだとしたら、とんでもなくひどい人だと思う。

「なにを言っているんですか」

「愛の告白以外に、なにがある?」

 私の両肩を力強く掴んだ遥人さんは、逃がさないと言わんばかりに真っ直ぐに私を見据える。

「これでもずっと愛情表現をしてきたつもりなんだけど。少しも伝わっていなかった?」

 思い当たる節はある。でもそれは、友人に対するのと同じだと思っていた。むしろそうじゃなければいけない。

「小春。好きだよ」

 しっとりと湿っているような甘い声で言い、遥人さんは微笑んだ。

 胸が躍るほど嬉しいのに、私の心は絶望する。

「どうして……」

 平気で好きなんて言えるの。
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