褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
お兄ちゃんと可南子は性格が似ている部分がある。

ハッキリと物を言うところや、私に対して過保護気味なところなど。
どうやら私の世話を焼くのが好きなようだ。



「うーん……お金で解決するのはちょっと……」

「あぁごめん、ちょっと言いすぎだったね。実玖優しいからさ、言いたいこと我慢してるんじゃないかなって思って」



昨日のお兄ちゃんと同じこと言ってる……。

優しいっていうか、ただ言い返す勇気がなかっただけなんだけどな。



「そんなに優しいかな……?」

「優しいよ! むしろ優しすぎる! ね! 須川!」

「うん。清水さんは人にも動物にも優しいよね」



突然背後から現れた須川くんも同じことを口にした。

えええー……須川くんまで?
自分のことを優しい性格だなんて、今まで1度も思ったことないよ。



「実玖は覚えてるかはわからないけど……小学校高学年の頃、女子達に悪口言われてた時、実玖、私のこと助けてくれたんだよ」



突然可南子が真剣な顔で語りだした。

悪口⁉ そんなことあったっけ……。


……あ、そういえば、昼休みに教室でクラスメイトの女子達が言い争ってたな。


人がたくさんいてよく見えなかったけど、中から可南子の声が聞こえてたのは覚えてる。
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