白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
第3章

クリスマス会




クリスマスが近付いていた。


部屋の飾りつけなんて嫌いだったお姉ちゃんが、リビングにクリスマスの飾りつけを始めた。



「作りすぎて余ったから、ここに飾るよ」



お姉ちゃんが毎晩遅くまで折り紙で何かを作っていることは知っていた。


でも、こんな大量のクリスマスの飾りだなんて・・・


人って変われるんだ、と改めて感じた。



老人ホームへ持っていく紙袋の中にはたくさんの飾りとメッセージカードが入っていた。



「誠人にコンパ頼んでくれた?」



お姉ちゃんは背伸びをして、テープで壁に飾りを留めながら、ボソっと言った。




「誠人さん、今韓国に出張中なんだって。帰って来たら先生に頼んでおくね」



海外出張と聞き、お姉ちゃんのテンションがまた上がる。



「えーーー、誠人ってもしかして仕事デキる人なんじゃないの?さすが先生の弟だね」



「お姉ちゃん、本気で誠人さん狙ってるの?うまく行けばW結婚だね」



お姉ちゃんとこんな風に笑いながら、楽しく会話をしていることが、今でもまだ時々信じられないでいた。





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