肉食系男子に、挟まれて【完結】
伝えなきゃいけない


あの後、このまま帰したくなくなるからって半ば強引に私は部屋へと戻された。
部屋に戻ってから、私は春斗の温もりを思い出して、はあっと溜息をついた。


春斗が好き。


自覚をしたら好きが止まらないだろうなって思っていた。
だからもっと早くに気付いていたけど、認めたくなかったのかもしれない。


思えば、最初から春斗に振り回されっぱなしだったな。
急にタイプって言ってきたり。


その時のことを思い出して、私はクスクスと笑った。
もうずっと昔のことのように思える。つい最近の話なのに。


久住君にちゃんと伝えないといけない。
電話をしようと思っていたけど、もう二十三時を回っている。


さすがに今からかけることは出来ない。
春斗の前でかけるわけにもいかなかったし。


お風呂入って、寝よう。

そう思っていたらケイタイが震えた。
着信だ。そう思って画面を見て目を瞠った。


「……久住、くん?」


相手は久住君だった。
驚いた。まさか久住君からかかってくるなんて思わなかった。


私はすぐに通話ボタンを押す。


「もしもし、久住君?」

『あ、先生』


通話口から鼻声の久住君の声が聞こえた。

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