堕天使、恋に落ちる
『あ、違うの!ただ、今パジャマ姿だから恥ずかしくて…』
「え?」
『恥ずかしいけど、いいよ!その代わりパジャマ姿笑わないでね!』

そんなこと…
「笑うわけない。むしろ見たい!」
『フフフ…じゃあ待ってるね』


ピンポーン
インターフォンをならす。
それだけのことをするだけで、手が震えた。
恋をすると、こんな事さえも歓喜で震えるのか…?
「はぁい。一徹?ちょっと待って!」
由那の声がして、
「仕事お疲れ様」
天使が顔を出した。
「由那、天使みたいだよ!」
「え(笑)?堕天使だよ!でもありがと。どうぞ?」

パジャマ姿の由那。
「可愛い、由那」
自然に抱き締めた。
「一徹?苦し…」
「あ、ごめん…つい」
「一徹、可愛いね」
「俺が?可愛いのは由那だよ」

「フフフ…上がって?」
「うん」
さっぱりした1LDKだった。
由那の今までの寂しさや苦しさがそのまま表されたような。
「一徹、ハーブティいれるね。お酒飲んだから、身体に優しい方がいいよね?」
「うん。ありがと」

由那のどこが重いのだろう。
相手を大切にしてるってことじゃないのか?

俺には幸せにしか感じない。
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