お日さまみたいな温かい君に包まれて
予想通り、診察室やレントゲン室から患者らしきお化けが何体か飛び出してきた。

襲いかかって来ることはなく、廊下を走り去っていったから、そこまで怖くはなかった。


けど……この時点で既に数回叫んでいて、まだ前半なのに、もうのどがガラガラ。

これ、最後までのどもつかな……。



スーハーと深呼吸を繰り返し、さらに奥へと進んでいく。

順路の看板によると、ここが折り返し地点らしい。



「やっと半分まで来たね」

「だね……」



聞こえたかわからないぐらいの小さな声で返事をした。


……さっきから俺ばっかり叫んでるな。

雪塚さん、なんでそんなに冷静なの? ホラー苦手なんじゃなかった?

もしかして、俺がめっちゃ騒いでるから我慢しているの?



「ねぇ……なんか声聞こえない?」

「そ、そうだね……」



診察室に近づくにつれて、子どもと赤ちゃんの声が聞こえてきた。

帽子を深く被って耳を塞ぎ、眉間にシワを寄せる。


うぁぁぁ、めっちゃ泣いてるぅぅ。
注射? 検査? それかお医者さんが怖いのか?

想像しちゃうからやめてくれ。胸が、胸が痛いよぅ……。
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