お日さまみたいな温かい君に包まれて
「自己防衛か……」

「清水? どうした?」

「あっ……実は、俺も昨日告白したんです」



恋愛事情を知っていて、ずっと見守って応援してくれている2人に、2度告白に失敗してしまったことを話した。



「もう1回謝ったほうがいいですかね……?」

「うーん、それだと余計気まずくなりそう。雪塚さんって子に何か迷惑かけてしまったとか、心当たりはあるのか?」



迷惑……高1の頃からと考えると、数え切れないほどある。


最近だと、お化け屋敷で叫んで抱きついちゃったこととか、体育の時間にボールをおでこに当てちゃったこととか。

あ、浴衣買い行った時に、服貸そうかみたいなことも言ったっけ……。



「……その顔はありまくりだな」

「どうしましょう……」



たっくさん迷惑かけてきたけれど、全部『大丈夫、気にしないで』って許してくれた。


だけど、(ちり)も積もれば山となる。


小さな不満をずっと我慢し続けて、最終的には、告白も受け入れられないくらい、心が限界に達していたのかもしれない。



「清水はアピールがわかりやすいからなぁ。好意に気づいていたけど、仲が壊れるのが怖くて、なかなか言い出せなかったのかもね」
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