お日さまみたいな温かい君に包まれて
9.5 崩壊
葵side



「葵ちゃん、もう少しゆっくりしていったら?」

「なんなら、もう1泊していきませんか?」

「こら、雪塚さん困ってるんだからやめなさい」



おいとましようとすると、景斗くんのお母さんと実玖ちゃんに引き止められた。

そんな2人を叱る景斗くんのお父さん。

現在、景斗くんを除いた清水家全員が玄関に集まっている。



「お気持ちは嬉しいですが、家に連絡してないので……すみません」



本当は午前中までお邪魔する予定だったけど、「せっかくならお昼ご飯も食べていったら?」と提案され、断り切れず……。

結果、朝昼晩全部食べちゃった。



「あらそう? 残念。また泊まりに来てね!」

「また学校で会いましょう!」

「引き止めてごめんね。また来てね」

「ありがとうございました。お世話になりました」



手を振る清水家に頭を下げ、自転車に乗って帰路に就いた。


家族総出で見送られるの、初めてだったからちょっとビックリした。

景斗くんのお父さんもお母さんも、実玖ちゃんも、明るくてすごく優しかったなぁ。

景斗くんが真っ直ぐな性格なのも頷ける。
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