お日さまみたいな温かい君に包まれて
4 彼女の悩み
日曜日。

現在バイト先の休憩室で、松尾さんと梅ちゃんが話をしている。



「『制服デートは待ち合わせも連絡もしてないから、ちゃんとしたデートに当てはまらない』って、こだわり強すぎですよね」

「ハハハ。まぁ、初デートが夏祭り、花火大会って、なんかロマンティックだよな」



一昨日、梅ちゃんに雪塚さんと一緒にいるところを見られ、今、これでもかってくらいいじられている。

今日は竹村先輩がいなくて良かった。
もしいたら、俺の恋愛事情がここの遊園地スタッフ全員に広まりそうだし。

でも、バレるのも時間の問題だろうな。



「そういえば、パンの袋抱えてたけど……もしかしてあれ、全部食べたの?」

「なわけないでしょ。家族の分を買ったんだよ」



俺が食いしん坊なのは、バイト仲間みんな知っている。

レストランのまかないを何杯もおかわりしてたから、光の速さで噂が広まったらしい。

多分、広めたのは竹村先輩だろう。



「そういう梅ちゃんもお菓子買ってたよね? 自分へのご褒美に買ったの?」

「違うよ。あれはプレゼント用に買ったの」



なーんだ、プレゼントか。

そういえば、紙袋に可愛いリボンがついていたっけ。
可愛い袋だったから、女友達用に買ったのかな。
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