忘れな草
今日が、私の最後の日。
朝、目が覚めて、私は、何となく分かってしまった。
いつもと同じ、清潔で真っ白な病室。窓から差し込むキラキラした光とか、友人や家族がくれたものたちとか。
私が、、みんなから愛されている悲劇のヒロインになるための、そのための材料が、ここにはしっかり揃っている。
ただ、そのひとつひとつが、いつもより、切ない響きを帯びていた。
それはもう、どうしようもなく、終わりの予感だった。