ONLYYOU~赤ちゃんのパパは脳外科医、愛してはいけない人を愛してしまいました。~
彼に女性を影を見ていたし、私以上に稼げる女性を恋人に持ち、鞍替えしたのかもしれない。
後腐れなく、雄平と別れるコトが出来て、逆に安堵していた。
「貴方が広瀬莉子さん?」
廊下で掃除道具の入ったワゴンを押して移動の最中、若い女性が私を呼び止めた。
「私は脳外科医局の秘書を務めている榎木妃花です」
脳外科・・・
和寿さんの医局だ。
事務員用の制服を着たスラリとした細身の体型。
白く透き通るようなキレイな肌。
顔立ちも凄く美しい。
私はワゴンを止め、マスクを外して彼女に軽く頭を下げた。
「はい、私が広瀬莉子です…」
「・・・貴方…伊集院先生と同棲しているらしいわね…伊集院先生の住むマンションには東亜の医者が大勢居るの…ご存知?」
「あ…はい…」
槇村先生夫妻は私達の仲を好意的に見ているけど。
好意的に見ている先生たちばかりではなかった。
「・・・噂になってるわよ…貴方…伊集院先生のキャリアに傷をつける気?」