白+紅=蒼
許さない
とある日の朝





ピリピリピリ





幸せな夢の世界に鳴り響く煩い音にごそごそと身動ぐ。





隣も同じように動き暫くしてくぐもった声を出す。





「……はい」





真横で寝ている私にも電話先の声が聞こえた。






《紅!!今何処にいる!?》





電話相手は廉だった。





彼にしては珍しく慌てているような声で。






「…今ー?俺まだ寝てたけど…」





《まだ家か!?紅!とにかく今すぐ学校に来い!!白も一緒にだ!!》





「は?学校?なんで?」





未だに状況が理解できない私たち。





紅が寝返りをうって私を見る。





瞼を擦りながら話を聞いていると







《俺今部活で学校に来たんだけど、なんか知らねーけど一年全部の教室の黒板に美乃の悪口が書かれてるぞ!!》






その言葉に私と紅は同時に起き上る。






「おい廉!それどういうことだ!?」





紅が声を荒らげる。





《俺にも分かんねーけど朝来たら黒板に美乃の事が色々と書かれてんだよ!結構ひでー内容のが!今見て回ってっけど一年全部の教室の黒板に書かれてる!》





「それ書いたの誰だよ!!」





直ぐに制服に着替える。






《わかんねー!お前たちも直ぐに来い!!》





「今から行く!!」

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