白+紅=蒼
夏休み
暑い日射しを見上げながらいつものように紅と変わらない学校への道のりを歩く。





「あーー。やっと明日から夏休みかー」






ダルそうに言う紅は夏服の一年生指定の赤いネクタイを緩める。





「もう紅ー!そんな姿だと江田先生に怒られるよ?」





「ったくアイツも毎朝毎朝校門前に立ちやがって暇人かよ」





と愚痴りながらもネクタイを元に戻す。






笑って気合いを入れるかのように紅の背中をパンと叩いた。






「今日は2限で終了だし頑張ろうよ!」





そう言うと紅はんーーと背伸びをした。






「気持ち入れ換えっか!」






私の頭を撫でる。






教室は既に明日からの夏休みの計画を話したりしているのかいつもより騒がしかった。





「おっはよー!」
「はよーー」





私たち双子が教室に入ると男子は紅に女子は私に集まり出す。






「ねぇねぇ、白ちゃん!夏休みは一緒にプール行こうよ!」

「私たちとも遊ぼうー!」






笑いながら返事をして自分の席に着き美乃に挨拶をする。





「相変わらず人気者ねー、白は」





美乃はこういった女子の集まりが嫌いなのだが彼女もまた女子から人気があるため多くの人から誘われていたりする。





また夏休みに入ってから連絡しようと皆に言ったところでホームルームが始まった。





ぼーーと先生の話を聞きながら青い空を見つめる。





夏休み、碓井先輩はどうやって過ごすんだろう…





放課後





沢山の課題を鞄に詰め込んで背伸びをした。





「白~。お前直ぐ帰んの?」と紅





紅と廉は今から部活に行くようだ。






美乃は荷物が思いだろうと過保護な親が既に迎えに来ており帰っていた。





「んーーー。夏休みの課題も多かったしこのまま教室に残って課題終わらせる計画でもたてようかなって思ってるけど」





そう言うと紅が嬉しそうに笑った。





「あ!俺のもつくってー!」





「えーー?紅は夏休みも部活三昧でしょ?作ってもいいけど紅の部活ある日の把握なんてしてないよー」





「じゃぁ夜からの分だけでも作ってよー」





「仕方ないなー」





苦笑すると紅がくしゃくしゃと私の頭を掻き回す。





「サンキュ。今日は部活六時までだから」





「分かった。晩ご飯は私だから任せて」





「おう。行ってくる」





「頑張ってね」





爽やかに笑って教室を出ていく紅と廉に笑顔で手を振った。





明日から夏休みということで既に教室内に生徒は私を含めて2、3人しかいない。
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