泣きたい訳じゃない。
ロスに到着!
ロスに到着すると、谷山さんが空港まで迎えに来てくれていた。

「渋谷さん、ありがどう。この恩は一生忘れないから。」

「谷山さん、大袈裟ですよ。私もロスには前から来てみたかったんです。」

「渋谷さんもロスの立ち上げメンバーだもんな。」

「仲間に入れてもらえて光栄です。」

「でも、今頃、バンクーバーで青柳が泣いてるんじゃないか。俺の渋谷さんを取られたって。」

「そんな事ないですよ。青柳さんなら上手くやってるはずですよ。」

「ホテルに行くけどいい?」

「いえ、オフィスでお願いします。早く、引継ぎをお願いしたいです。私は飛行機でたっぷり寝ていたので、元気ですから。」

「本当に大丈夫?俺は正直助かるけど。皆んなも喜ぶだろうし。」

「今、ロスのオフィスには何名在籍されてるんですか?」

「今は立ち上げメンバーの僕と北村さん、下川さん。それに現地メンバーが三人かな。」

「早く皆さんにお会いしたいです。」

「ありがとう。じゃあ、オフィスに向かうね。」

ロスの喧騒の中を運転する谷山さんはすっかり現地に馴染んでいる。

「谷山さんは週末にはこっちを立つ予定ですよね。」

「仕事次第だけど、できれば日曜日にはと思っている。」

「じゃあ、今日も入れて三日間ですね。谷山さん程の仕事はできませんが、私、頑張りますから!」

車窓には、日本人が『これこそアメリカ』というだろう景色が流れている。

私は初めての街だけど、海外の匂いに懐かしさを感じていた。
< 50 / 70 >

この作品をシェア

pagetop