消費期限切れのチョコレート
思わずラッピング用の綺麗な包装紙をぐちゃぐちゃにしてしまった。

「美奈ちゃんってみーくんが好きなんだ…
っていうか、みーくんに好きな人がいるって知らなかったなぁ…
私はてっきりまだ美奈ちゃんのことが好きなのかと思ってたのにな…
そっかぁ、みーくんに好きな人ができちゃったんだ…応援しなきゃな、」

こんな所で泣いちゃいけないという私の意思とは反対に勝手に涙が溢れる。私は慌てて調理室を出た。

「ごめん、ちょっと頭冷やしてくる!」

みーくんに好きな人がいるのは今までも考えられたことだけど、いざ聞いてみるとショック受けるな…
まだみーくんに好きな人がいることを受け入れる心構えができていなかった。

「なんで、少しでもみーくんが振り向いてくれるかもって思っちゃったんだろう、
少し他の子よりも特別扱いされてるからって、みーくんは私のこと幼馴染としか思ってないのにね」

私は明日みーくんに告白する予定なんて無かったけど、美奈ちゃんよりも早く告白して少しでも意識してもらおうと思った。
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