ふたつの愛し方
ギリギリまで口に含んで舐め上げれば、英介、と甘い声で見上げてくる。

朱希が、ひとつになりたいという合図だ。

身体をひとつに繋げるだけで、朱希の蕩けた液体が、俺のにしっとり離すまいと絡み付いてくる感覚が堪らない。

昂ってくると、もっと、とねだる朱希にいつも煽られる。


「………っ……まだ……繋がってたいんだよ……煽るなよ……」


毎回、そう伝えると。

気持ちいいんだもん、と。

もっと奥、と吐息交じりに呟かれる。

俺もだよ。

気持ち良すぎて……堪らねぇんだよ。


ほぼ同時に、絶頂に達して荒い息を落ち着かせてから、シーツに身体を投げ出して、避妊具をティッシュを使って引き抜いてベッド脇のゴミ箱に放り投げる。


朱希の身体を引き寄せて、強く抱き締めるだけで、幸福感が全身を包み込む。



明日はどうする?

緊急呼び出しに備えて、近場の水族館に行きたい。

好きだよな、水族館。

うん、水槽で気持ちよさそうに泳いでる魚を見ると癒されるの。

わかったよ、行こうぜ。


翌日、水族館で。

病院の専用コールのネックストラップに附けられる、ペアのストラップチャームを買った。

離れてもまた、離れずに居られる時が来るように、願いを込めて。

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