燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
11章:記憶喪失と工藤先生の話(B side)


 それから不思議なことに1日経とうが、2日経とうが、あたしの夢は一向に覚めなかった。
 あたしはどんどん不安になってきていて、2日目、拓海と一緒に両親に会いに行ったのが、さらに堪える結果となった。

 両親はしっかり10年分年をとっているように見えたから……。それになんだか元気もなかった。あたしは両親が話す間も、ずっと拓海の手をぎゅう、と握り締めたままだった。


< 155 / 350 >

この作品をシェア

pagetop