タイヨウの恋人
階段を音を立てずに降りる。

"時刻は5時をまわりました。
 気持ちいい朝ですね。
 ここまでは ー…

黒いスニーカーを履いて、
そうっと家を出て、そうっとそうっと。
よし、今日も5時ぴったり。

外れかけたイヤホンを耳に押し込むと
ラジオは違う番組に変わっていた。

"トップオブザモーニング
 今日の1曲めは軽快にいきましょう
 シンクロナイズド・モーニング ー…

橋に差し掛かって、歩みを止める。
太陽がぐんぐん昇っていくのが見える。
今日もきれい、元気でたでた。

1年前、初出勤の日もここで太陽をみた。
あまりの綺麗さと自分のふがいなさに
ちょっと泣いた。あの日から、
この橋で立ち止まって日の出を見るのが
なんとなく毎朝のルーティンになっている。
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