縁は異なもの味なもの
その頃の社長室には、
社長、樹専務、望月弁護士、加納弁護士と大輔。

「大輔、午後1番だよな。」

「はい。社長。」

「大輔は11月までだが、この面談は…」

「社内の大掃除なんでしょう?」

「さっすが〜! 大ちゃん!」

「処分する社員は、多いんですか?」

「ああ、たぶん10名以上いくな…」

望月
「井上主任。初めまして。私は弁護士の望月で、こちらは加納です。 ヨロシクお願いします。
早速ですが、井上さんが気になっているのは…」

「はい。私が以前から不審に思っているのは、設計のデザインや個人情報が流出しているのが気になります。 
セキュリティが甘いというか…
もし、ワザと情報を流してよそから贈収賄などが心配ですね。」

望月
「今までで、疑いを持った社員はいますか?」

「はい。数名います。」

大輔も、九州での大プロジェクトの時に感じた違和感から 
もしかして…と思った事を話した。

社長と樹には、当時から話していた内容だが証拠が無かった。

望月弁護士と加納弁護士は顔を見合わせた。

望月
「昨日…実はその社員の部下から面談しまして…
その社員たちも、
知らない内に加担したのではないかと、不審に思っていたようです。
彼らは、上司の指示された通りの仕事をしたまでなのですが、疑念を抱いたようです。」

「じゃあ、先生。証拠を掴まないとですね〜」
望月
「はい。過去からの帳簿等は、ウチの事務所の会計士グループで、調べあげてますから…」

「会社の膿は大掛かりな外科手術が必要ですからトコトンやって下さい。」

「人事も相当動きますね!」

「ああ! 学にもこの前話したから、お前んとこも必要かもな。ハハハ。」

「そうだね。伯父さん。父さんとも相談するよ。」

社内に黒ネズミが数名いて、会社の不利益になるような事をしている。
証拠は望月弁護士と加納弁護士が、集めている。

大輔は、この2人に睨まれた社員は逃げられないだろうと感じていた。

大輔の面談は終了となり、設計室で戻る。


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