縁は異なもの味なもの
「元カレ君、悪いなぁ。
真央はもうオレの婚約者なんだわ!」

「は? 婚約者? 真央、本当か?」

「アレ〜、お前、武田か? オレの事覚えてる?大学で一緒だった 佐藤 樹だよ〜」

「へ? 佐藤? あぁ〜何でお前がいるんだよ」

「オレ、ココの専務さんだから〜ハハハ!」

「専務? 佐藤…佐藤建築工業… は!
お前の実家の会社か?」

「そうそう! 親父が社長さんなんだ〜
お前こそ何やってんの?ウチの会社の前で?」

「イヤ、オレは彼女にプロポーズしてるんだよ」

「アレ〜、大学のヤツらから聞いたけど、お前はサユリちゃんとデキ婚するんだろ?」

「だから!それはサユリの嘘だったんだよ!
オレは、真央と付き合ってるからさ!
嘘つきなサユリとはやってけないからさ!」

「直樹、今、『嘘つきなヤツとはやってけない』
って言ったよね〜
私も全く同意見だわ〜! 
私にスペインで勉強するから別れてくれって嘘ついて元カノと浮気するようなヤツとは、やってけないのでキッパリとお断りします!

その婚約指輪だって、元カノに渡したおさがりかもと思っちゃうもん。
さようなら! 
私にはもう彼氏がいるから、こんな真似はよして欲しい。」
真央は、大輔の腕に腕を組んだ。

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