縁は異なもの味なもの
沢山の帰宅しようとしていた社員達が、大輔と真央の姿をただ呆然と眺めていた。

樹が、入口付近の社員たちに手をパンパンと叩いて、

「ハイハイ、みなさんお疲れ様〜 気をつけて帰ってね!」
と言って、社屋に入って行った。

1人婚約指輪を持ったまま 佇んでいる直樹。

真央が言ったように、妊娠したサユリに渡そうとして買った指輪だった。
今更、サユリともヨリを戻せない直樹だった。

その頃、エレベーターの中にいる樹は、ニヤニヤしながら役員フロアで降りて社長室へ向かった。

「ヘタレな大ちゃんを、応援するか!
今日の社内のウワサ話…
大ちゃんが彼女の手作り弁当を食べている!っていうのは立川さんだったのか!
きっと… 今年中に結婚だな〜 ハハハ〜!」

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