捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
これからの未来へ
「ママ、きれい」
母の後ろでなぜかこっそりと覗いている瑠偉に、私はニコリと微笑む。

「本当? 瑠偉もとってもかっこいいよ」

「うん」
今日は瑠偉もタキシード姿でばっちり決めていて、とてもご機嫌だ。

春になった今日、私たちの結婚式だ。親族や親しい人たちだけの式だが、祥吾さんがオーダーすると聞かず、私は上品なサテン生地のオフホワイトのウェディングドレスに身を包んでいた。

あの後、結城さんは退社した。
故郷である東北の町へと帰ったと聞いた。

長谷川の所在を探るためにも、警察沙汰にしてきちんと厳罰をという話も出たようだが、五年前の話であり、当事者である祥吾さんと私で話し合い、会社のマイナスイメージにもなることから、大事にすることはやめた。

これ以上、会社に何か起こらなければそれでいい。

今さら何かを蒸し返しても、私たちの時間は戻ってこない。そう思ったからだった。
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