HONEYBEE(3)~エリート外科医の婿入り婚!!溺愛は御遠慮致します~
プロローグ
水を打ったように静まり返る大会議室。
私の声だけが室内に響き渡っていた。

此処は『東亜医科大付属病院』
私は大手医療機器メーカー『(株)フロンティアメディカル』営業担当・宇佐美眞白(ウサミマシロ)
『フロンティアメディカル』の代表取締役は私の父。
私は社長令嬢。歳は二十七歳
何れ、私が会社の後継者となる為、仕事に邁進していた。

東亜の中でも、「心臓血管医局」は大学医局随一の大所帯。
医局のトップに立つ阿波教授は父の高校時代の同級生。
今は一線を退き、研究分野で活躍。
心臓血管領域において、最近国内でも急速に広まっている『インターベンション』
開胸しない心疾患治療。

阿波教授もその治療方法に大いに注目して、「フロンティアメディカル」としても、彼の期待に応えるよう日々努力を続けていた。
特に教授の得意とした冠動脈バイパス術で使用されるステント開発に力を入れていた。

「お手元の資料をご覧ください」

大きなプロジェクタースクリーンに映し出される我が社の医療機器。
人の命を救う。
それがわが社の使命。
私は仕事に誇りを持っていた。
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