HONEYBEE(3)~エリート外科医の婿入り婚!!溺愛は御遠慮致します~
新たな転職先
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土曜日。

銀座にある『槇村レディースクリニック東京』へと足を運んだ。
銀座の一等地にある七階建てのビル全体がクリニックになっていた。

院長診察は予約制で通常の予約ならば、二年待ちと言っていた。
槇村京弥(マキムラキョウヤ)先生は産科医の槇村奏弥先生の四歳年上のお兄さん。
元は『東亜医科大付属病院』産科医。二人の実家は横浜にある有名な産科・産婦人科病院を経営。
京弥先生も実家の勧めで、東亜を退職して、今は実家の産婦人科病院の系列病院の院長を務めていた。
「産み分けね…とりあえずはブライダルチェックを受けた方がいいな…」
「そうですか…」

「しかし、黒人もとうとう結婚したか…」
京弥先生は黒人さんと親し気に話をした。
「姓も変わったし、結婚の実感はありありだ…」

「宇佐美さんだったな…」

「宇佐美黒人だ・・・」

私を他所に二人は雑談ばかり。

「それよりも・・・就職の話はどうなったの?」

「あ…俺の方が訊きたい…眞白さん、本当に俺の秘書してくれるの?」


「・・・はい・・・」

私は持って来た履歴書の入った封筒を京弥先生に渡した。
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