HONEYBEE(3)~エリート外科医の婿入り婚!!溺愛は御遠慮致します~
阿波教授への挨拶を終え、私は黒人さんに言われた通り医局に立ち寄った。


「此処で待ってろ…眞白」

医局の前で私と周防君を待たせ、一人で中に入って行く。
硝子張りの医局。

黒人さんがミニブーケを手に持って近づいて来るのが分かった。

局内の居る他のドクターたちも私達に注目していた。


「お勤めご苦労様。眞白」

黒人さんは私にミニブーケを渡した。

「ありがとう…」

ピンクの薔薇と可愛いらしいブーケ。良く見るとブリザードフラワーだった。

院内は、見舞いの生花の花束は花や花瓶の水に感染の原因となる『緑膿菌』は繁殖する恐れがあり、抵抗力の無い患者が感染する可能性があるから持ち込み禁止となっていた。

「・・・黒人さん、いつの間にこんなブーケを用意したの?」

「遥さんに買って貰う様に頼んだ…俺は花のコトはまるで分らないしな…」

「そう…じゃ遥先生に会ったらお礼を言わないとね…」

「枯れない花らしいから…ずっと部屋に飾れるぞ…」

「…それは困るわ…」

「どうして?」

「まぁ、いいわ…私、時間ないし…行くわね…」

私はそそくさに踵を返して、その場から逃げる。



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