消えない傷・消えない痛み

**憤り?


美桜の様子が変だった。

暖君と入籍してから
穏やかな顔をしていたが。

暖君の容態が
あまり良くないのは
聞いていたが·····

それに····しても·····


「美桜、ランチ一緒しようか?」
「あっ、凛さん。はい。」
一緒にランチを食べながら
「暖君、どう?」
「つらそうにする事が多くて。
入院した方が良いのでは?
と、お義母さんとも話しています。」
「そっか。見守ってあげな。」
「はい。」
「で?あなたのその顔の原因は?」
「············」
「美桜?」
「見たんです。」
「誰を?」
「甲斐 伊織です。
横に可愛い女の人を連れていました。
ああ、だからか?と。
私は、別れを言われる価値もない
そんな恋人?
恋人や彼女でも、なかったのかもです。」
「あの男が?」
「はい。でも、大丈夫ですよ。
これで、吹っ切れました。」
「なんで、そんな事ができるのか
理解できないわ。
頭の中を覗いてやりたいぐらい。
美桜、わかってる?
辛いときや悲しい時は、
必ず言うんだよ。」
「······はい、凛さん。
ありがとう······ございます·····」

優しくて、可愛いくて
女性から見ても綺麗な美桜


別れたいなら
別に好きな人ができたなら
一言でも
一行でも、良いから
別れを伝えて欲しかった。

それをしないから
それだけの価値もないんだと
美桜は、思ったんだ。

もう、美桜を邪魔しないでほしい

見知らぬ、伊織と言う男に
憤りを通り越して
願わずにはいられなかった。
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