消えない傷・消えない痛み

**偶然


退院してから
暖大の回りは片付けた。
どこまでも転げていける?ように。

父も母も、心配しながらも
暖大に甘い。

義母・里子も
毎日会えないせいか
これもまた、暖大に甘くて
困っている。

暖大は、離乳食も順調に進み
母乳は、やめた。
自分の体の方は大変だったが。

ハイハイが出来るようになり、
どこまでも行く。

熱を出したりすることも
あるが、あれから怪我をする
事はなかった。

つかまり立ち····

一歩····

「マンマ」、食べ物?
「マー」、美桜のこと
「バー」、母
「ジー」、父
「サー」、義母
「リー」、凛さん

沢山話をする。
わからない事が多いかな·····
「♯♯♭◆▼▷····﹢﹤﹦⋅⋅⋅⋅」
なんとか、流れでわかるが⋅⋅⋅⋅

暖大がいるだけで
皆、笑顔がたえない。

今日は、凛さんと暖大と
三人でお出かけをする。

暖大の一才のお祝いを
凛さんが買ってくれるみたいで。
(教授も出してくれるみたい)

何度もお断りしたが
美桜にあげるんじゃないから
と、凛さん。

本当に優しい二人
感謝しかない。

「「ひろ、美桜、行ってらっしゃい」」
と、父母に見送られて
暖大は、両親に手をふる。

歩くときかない暖大を
遊び、遊び連れて行くのは
大変だが、暖大の思うように
してあげたい。
人が多い時は無理だが。

テトテト⋅⋅⋅⋅てとてと⋅⋅⋅⋅と
歩く暖大⋅⋅⋅⋅⋅

何かが目に入ったみたいで
立ち止まるから
そばに行こうとすると
きゃっ、きゃっと手を叩いている

何?と暖大の見ている方向を
みると⋅⋅⋅⋅⋅⋅

えっ⋅⋅⋅⋅⋅伊⋅⋅織⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅

伊織は、暖大を見て驚いた顔を
したが、手を出す暖大を抱きあげて
キョロキョロする。
たぶん、私をさがしてる?
私を見つけると目がとまる。

表情は⋅⋅⋅⋅ない

私は、慌てていき
「すみません、先生。」
と、言いながら
暖大に手を出すが
ふん、とする暖大に
ため息が漏れる
「ひろ、先生、仕事。」
と、言うと
べそをかきながら
伊織を見る暖大

そんな暖大に伊織は
頷くと仕方なし?に私に手を出す
私が受けとると
伊織は、暖大の頭を撫で
「歩けるようになったんだ。」
と、暖大に言っているのか
私に言っているのか
独り言なのか
わからないが
「もう、歩きたい、歩くんだって
大変なの。」
と、伝えて

私は、暖大を連れて
「では、失礼します。」
と、言い頭を下げて
その場を離れた。
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