寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
廊下を通り、奧にあった書斎に辿り着いた。

「小花。何を言われても、父を許して欲しい。父は、身分でしか人を判断できない人だから。」

「分かりました。」

「よし。じゃあ、行こう。」

保さんがトントンと扉を叩き、その扉は開かれた。


「ただいま戻りました。父上。」

「ああ。」

こちらを向いたお父様は、私を見てフッと笑った。

「そちらさんは?」

「橋本雄一氏のご令嬢です。」

「ご令嬢?」

そしてまた、フッと笑っている。

さっきから私の事、馬鹿にしているんだわ。


「それで?私の目の前に連れてきた訳は?」

「小花嬢には、僕の妾になって頂く事になりました。橋本氏にも許可は取ってあります。」

「妾ごときに、相手の許可?ふはははっ!」

我慢、我慢。

保さんは、何を言われても、お父様を許すように言っていたわ。


「分かった。それで?結婚の話はどうなっている?」
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