寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「はい。」

保さんは、冷静だ。

「では、今度婚約パーティーをしよう。」

「えっ?」

私と保さんは、顔を合わせた。

「そんな事聞いていません。」

「おまえが聞いていなくても、婚約は決まったものだ。」

「待って下さい!」

保さんは、急に立ち上がった。

「僕は、結婚しません。小花さえいてくれれば、それでいいんです。」

「それはおまえが決める事ではない。当主としての、私が決める事だ。」

お父様は、さわかさんの側に寄った。

「驚かせてしまってすまんね。婚約パーティーは、派手にやりましょう。」

「はい。」

さわかさんも、すっかりやる気だ。


「いいか、保。婚約パーティーは、来週にしよう。」

「来週?そんなに突然?」

「結婚とは、そういうものだ。さわか嬢。では、日取りが決まったら、直ぐに連絡しますからね。」

「はい、宜しくお願い致します。」

さわかさんは、頭を下げると、私の方を見てクスッと笑った。
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