寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「……参加されるんですか?小花様。」

ちよさんは、すっかり困っている。

そうよね。

私にはそんなドレスないもの。

参加できないわよね。

「いいの。ちょっと言ってみただけよ。」


そして私は、ちよさんに背中を向けると、自分の部屋に戻った。

下から舞踏会の音楽が流れてくる。

今頃、保さんの隣で、さわかさんが婚約者として、紹介されているのだろう。


その時だった。

「大変です、小花様。」

突然、ちよさんが私の部屋に入って来た。

「どうしたの?」

「それが……坊ちゃまがまだ、戻っていらっしゃらない様で。」

「えっ?」

私は立ち上がった。

いくら結婚しないとは言え、このパーティーの主役は、保さんなのに。

「お客様同士も、不思議がっています。どうしましょう。」

「保さんは、今どこにいるの?」
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