旦那様は征服者~帝編~
帝にしがみついて、痛みに顔をしかめていると、
チュッと噛み痕にキスされた。
「帝?」
「消毒中…」
「フフ…ありがと」
「紫織もキスして?」
「え?うん…」
背伸びして帝の口唇にキスしようとすると、
「違うよ……背中…!」
「え?」
「紫織の爪痕」
帝が背中を向けると、肩甲骨の辺りに引っ掻いた痕があった。
「あ…ごめんね……結構引っ掻いてる…!」
そう言って爪痕にキスをした。

「いいよ…俺がいいって言ったんだから……」
「ごめんね…あんま覚えてなくて……」
「フフ…いつも夢中だもんね…?紫織…」
「恥ずかしい////」
「紫織。今度は口にキスして?」
「うん」
背伸びしてキスをした。
そのまま深く苦しいキスに変わった。


お風呂から上がり、朝食を食べていると……。
インターンがなる。
「あっ、佐倉さんかな?」
「うん、ちょっと風呂で長居しすぎたね…」
「とりあえず中に入ってもらった方がいいよね?」
「あぁ」

鍵を開け中に入ってもらう。
「失礼します」
「あぁ」
「ソファーでお待ちください」
そう言ってキッチンに向かう。
「紫織。何してんの?」
「え?お茶を淹れに……」
「誰に?」
「え?誰って、佐倉さんだよ」
「は?
紫織はまたベットに逆戻りしたいの?」
「え…?」
「紫織様、お構い無くお願いします」
また帝の雰囲気が、黒くなる。

「あ、はい…」
テーブルに戻った。
< 11 / 34 >

この作品をシェア

pagetop