旦那様は征服者~帝編~
散々翻弄され解放されると、
「紫織、エロい顔……。
こんな顔誰にも見せれねぇな……」
と言いながら私の口唇を拭った、帝。

この妖しい帝の目。
私をとらえて離さない。
ゾクゾクするのだ。
怖いはずなのに………
「帝…もう一回……キスして…?」
「いいの?これ以上したら、ヤバいんじゃないの?」
確かに既に、身体が疼いている。
「おねが…も……一回だけ…!」
「いいよ…」
「ンンン……あぁ…ん…ふぁ…」
静かな車内。
私達のキスの音だけが響く。


「皇帝様、着きました」
「ん。
紫織…大丈夫…?」
「はぁはぁ…大…丈夫……」
ヤバい……歩けるかな…?
つい、興奮してしまった。
運転手さんがドアを開けてくれ、先に帝が出る。
「おいで?」
手を差しのべられて、その手を握る。
そのまま引っ張られ、外に出た。
あまり足に力が入らなくて、思わず帝にしがみついた。

「紫織?」
「ごめんね…足にあんまり力入らない……」
「ほんと可愛いなぁ…いいよ。俺にしがみついてて?」
「うん」
腰を支えられながら、料亭に入った。
ここは帝の行きつけで、何度か一緒に行ったことがある。
離れに通され、室内へ。
帝が上座に座ると、
「紫織。こっちおいで?」
と横に座るように言われた。
「うん」
でも向かいの席にセッティングされてるのにな…と思っても、口答えはしない。
私は帝の言われた通りに動かないといけない。

しばらくすると、女将さんが挨拶に来られた。
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