クールな部長は独占欲を隠してる【6/18番外編追加】
すると、進藤の後輩仁科くんが営業部の方から進藤を呼び、

「おー、今行くー」

と答える進藤が去り際に私を振り返り、

「…東、ほんとに良かったな」

そう優しく微笑んで、んじゃ、行くわ、と今度こそ手をひらひらさせて去って行った。

「…進藤、いい奴ね」

進藤の後ろ姿を見送りながら、奈美が呟く。

「…うん、本当に…」

4年間も私のことを想ってくれていて、それなのに全く気づかなかった激ニブの私。
そんな私を責めるでも避けるでもなくいつも通り接してくれて、蒼介さんと上手く行ったことを良かったな、と笑って言ってくれるそんな進藤に、早く素敵な人が現れるといいな、心からそう思った。

「芽衣子、今日部長いなくて寂しいだろうから、仕方ない、帰り飲みに付き合ってやるよ!」

さも私のため、というような口ぶりの奈美に、

「…それって、ただ奈美が飲みに行きたいだけでしょ…」

と言えば、

「…あ、バレた?まあいいじゃーん、色々聞かせてよ、昨日のこと」

と、悪びれる様子もなくそう言う。
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