丸重城の人々~前編~
「あ?何が?無理!」
尚もボタンを外そうとする、大翔。
「ほんとに今は…!
ちょっと待ってて!すぐ戻ってくるから!」
「はぁぁ?俺が、こんな状況で待てると思ってんの?」
「いや…ほら、私のこと大事にしてくれるんでしょ?」
「は?言ってることむちゃくちゃ…!!
とにかく!無理!柚が愛し合いたいって言ったんじゃん!」
「キャッ!」
柚希の両手を押さえつける、大翔。

「俺がほしいんだろ……?
だったらいくらでもあげるよ?その代わり、俺も柚をもらう」
今度こそ、ボタンを外された。
あらわになる、柚希の下着姿。

「ゆ、ず……これ…?」
「見ないで……」
恥ずかしい…………
「スゲー綺麗……ヤバい…止まんねぇ…!」
「ンンン……やぁ…」
「柚…柚……」
身体中に、大翔の熱情が降り注ぐ。
そして繋がる二人。
「んぁ……あぁ…やま、と…激し……待っ、て……」
「待てるわけ…ねぇ………」
「やぁぁ……身体、が…もたな……」
「柚……柚、柚…好き…好きだ……柚…」

「はぁはぁ……」
「柚…わりぃ、また……夢中になりすぎた……」
柚希を見下ろし、柚希の汗で張り付いた前髪を拭う。

「ううん…嬉し……」
柚希を組み敷いたまま、繋がっている。
「大翔…。
ギュってして?」
「あぁ。待って!このまま抱き締めたら、柚を潰しそう…」
「いいから!このまま……離れないで…?」
「ダメだって………あ、こら━━━━」
大翔の腕を引っ張る柚希。
そのまま柚希にくっついてしまった。
大翔の首にしがみつく、柚希。
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