ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!
7 甘酸っぱい香り


「イーリス!」

「あっ! 殿下!」


王妃のお使いで、クロードの指導に従って早足に歩いていると、長い廊下の曲がり角でヨハン王子に出くわした。


「でで、でんっ、殿下! この度は、数々の御無礼っ、申し訳ありませんでした!」

「え!?」

「美味しくて正気を失いました!!」

「うぅーん……やっぱり可愛い」


膝を折ってお辞儀をする私。
王子は少し見悶えている。


「いいんだよ、イーリス。僕が調子に乗り過ぎたんだ。君があまりに可愛らしくて」

「いっ、いえいえそんな! 私なんかっ」

「あっ……そうして恥じらう顔がまた、たまらなく愛いんだよ!!」
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