ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!

王子がふんと鼻を鳴らし、私の手をそっと掬い上げる。


「なっ!」


王妃が目を剥いた。
王子は私の手の甲にそっとキスをした。


「ごきげんよう。僕の、小さな白い花。或いは、お砂糖ちゃん」

「あわっ、あわわ」


そしてスマートに去っていった。

私は胸を押さえ、昂る気持ちに混乱していた。
甘く切ない、この想い。まさかこれは、これは……!

イチゴより甘酸っぱいという噂の、恋ッ!?


「ヨハン……」


王妃が王子の背中を見つめ、その名を呟いた。
< 41 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop