森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 大きな木のうろに、家を作る。

 エディは、小さな子グマがその家で生活する姿を想像して、勝手にほっこりした。

(木彫りの家具が似合い過ぎる……!)

 まるで、童話の世界である。

 お伽噺が大好きなエディは、その家が見たくてたまらなくなった。

「あの……お家が完成したら、見に行っても良い?」

 おずおずと聞いてきたエディに、ロキースは思わず鼻を押さえた。

 だって、あまりにも可愛らしすぎたのだ。

 姿が少年のようになろうと、彼女の本質は何も変わらない。相変わらず、可愛いままである。

 家に来たら悪いクマさんにペロリと食べられてしまうかもしれないのに、そんなことも思いつかない。

 何を考えているのか、彼女の目はキラキラと期待するようにロキースの返答を待っている。

 大好きな子におねだりされて、叶えない男などいるものか。

 ロキースは鼻を押さえたまま、苦い顔をしてコクリと頷いた。
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