森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
(家具も手作りみたいだし、木彫りの温かみのあるやつなんだろうな。こう、童話にあるみたいな……いいなぁ。そんな家に、僕も住んでみたい)

 場所が魔の森でなかったら、と悔やまれてならない。

 ロキースは熊の獣人だから住めるだけだ。ただの人でしかないエディには、とてもじゃないが住むなんて難しいだろう。

(同居だったら、いけそうかなぁ……)

 エディは女を捨てているせいか、危機管理に対する姿勢がないようである。

 彼女に恋するロキースと一緒に住もうものなら、同居なんて不可能だ。

 同棲もすっ飛ばして初夜になりかねない。まぁ、エディが泣いて嫌がった場合はないだろうが、ロキースが悶々とした夜を過ごすのは間違いないだろう。

 想像の家を夢見ていたら、だんだんと瞼が重くなってきた。

 エディの意識は深く深く、落ちていく。

 泥のように眠る彼女の部屋へ侵入する者があったが、彼女は気付かなかった。
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