森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 訳がわからない。

 見続けているのも辛くなって、エディは誤魔化すようにクッキーへ手を伸ばした。

 口に運んだクッキーは、思っていた以上に軽い食感だった。ホロホロとあっという間に口の中で溶けてしまう。

 トルトルニアにもクッキーはあるが、かたいものばかりだ。ミルクに浸して食べるのが、エディのお気に入りではあるのだけれど。

 指先についていた甘いイチゴジャムをペロリと舐めとって、エディは頬を緩ませた。

「ん……美味しいね、これ」

 その時、ゴキュリとおかしな音がして、エディは首を傾げた。

 一体何だと見回しても、当たり前だがエディとロキースしかいない。
< 149 / 390 >

この作品をシェア

pagetop